離婚と名義変更

離婚の際、話し合いで慰謝料の代わりとして元夫が住宅ローンの返済を続け、元妻と子どもが住宅に住み続けたいというご相談が良くあります。このようなケースで問題となるのは、住宅の名義です。住宅ローンが残っている状態での不動産の名義変更は簡単なことではありません。

実際に住宅に残る元妻に名義変更できれば一番良いのですが、元妻に金融機関を納得させるだけの経済力(信用)がなければ、実際のところ名義変更は難しいところです。

現実的には、元妻はパート収入しかなく、これから(離婚後)正社員として働く予定です。というケースもよくあります。しかし、金融機関は正社員で約3年ほどの経歴を要求します。年収(世帯所得)も400万円ほどを基準(金融機関によって様々)としている金融機関が多いと思われます。

正社員としての経歴と年収ベースでの基準を満たし、お身内の援助もあり保証人を立てることができるような場合は、名義変更可能なこともあるようです。
実際のところ、金融機関が認めなければならないのでハードルは高いといえます。

また、住宅ローンの契約上、実際の名義人がその住宅に居住していなければならないという要件があります。

このような事情から、離婚の際に夫婦のどちらかがマイホームに住み続けるよりも売却してしまい、売却したお金で住宅ローンを返済して残りの金額を財産分与したほうが良いと考えるご夫婦が多くなってきています。

住宅ローンが残っていない住宅では財産分与も現実的ですが、売却してもその売却代金が住宅ローンの残額に満たない場合など、住宅ローンが残ってしまう状態では、金融機関の許可なしに売却することはできません。なぜなら、住宅ローン設定時に金融機関は当該住宅について抵当権を付しているからです。

住宅ローンが残っている物件で金融機関の抵当権が付されている場合でも、金融機関の同意を得て「任意売却」という手法で住宅を売却することも可能です。

離婚の場合の問題点

慰謝料・養育費等多くの問題を抱えている

離婚された方、若しくは離婚を考えておられる方の場合、精神的にスッキリされる方と落ち込んでしまわれる方の2通りがあるようです。前者であれば、任意売却の手続きも前向きに取り組んでいただけますが、後者の場合の多くは、慰謝料・子供の親権・養育費・財産分与等の諸問題を抱えておられているケースが多いため、かなりの確率で精神的に疲弊しておられます。こうした場合正常な判断力に欠けたり、積極的な行動が難しくなる傾向にあります。

相手との連絡がとりずらく、手続きに時間が掛かる

信頼しあっていた」夫婦関係が破綻する訳ですから、離婚が決まった後では双方が気まずい状況にあることは否めません。距離を置き、コミュニケーションをとることも少なくなります。もう二度と会いたくないなどという事もありますので、弁護士が介入するケースも少なくありません。こうした状況下で任意売却の手続きを進めていくことにあたり、別れた奥様やその親族が連帯保証人や連帯債務者であった場合、全ての債務者の了承を取り付ける必要があります。相手方との連絡がとりづらい、心情的に同意できない等、手続きを進めていくことに時間が掛かることが予想されます。

双方のパイプ役となってしっかりお話を進めます

昨今では共働きのご夫婦はすくなくありませんので、離婚されることにより双方の家計収入は激減することとなります。また、慰謝料や養育費等が大きな負担となり金銭的・精神的ダメージは計り知れません。お互いに二度と顔を見たくない、などの状況になりますと弁護士さんを通しての手続き進行となりますが、双方の心情を察しながら丁寧に手続きを進めていく必要があります。住宅ローンの残債は大きな心の負担となりますので任意売却を成功させて、スッキリと次のステップに進みたいものです。